個人事業主が法人設立で失敗しないために!陥りやすい10のケースと対策を分かりやすく解説

フリーランス

法人化には節税や信用力向上などのメリットがありますが、準備不足のまま進めると後悔することもあります。本記事では、個人事業主が法人設立時に陥りやすい失敗例と対策をわかりやすく解説します。


はじめに

「売上が伸びてきたから法人化したい」
「節税になると聞いた」
「取引先から法人化を勧められた」

このような理由で法人設立を検討する個人事業主は少なくありません。

法人化には多くのメリットがありますが、十分な準備をせずに設立すると、かえって税負担や事務負担が増えることもあります。

法人は一度設立すると、設立後もさまざまな手続きや義務が発生します。そのため、「何となく良さそう」という理由だけで進めるのはおすすめできません。

この記事では、法人設立時に陥りやすいケースと、その対策について解説します。


ケース1 売上だけで法人化を判断してしまう

よくあるケース

インターネットで「年商1,000万円を超えたら法人化した方がお得」と書かれている記事を見て、

そのまま法人設立を決断してしまう方は少なくありません。

しかし、この考え方は必ずしも正しいとはいえません。

法人化を判断するうえで重要なのは「売上」ではなく「利益(所得)」です。

例えば、

Aさん

  • 売上:1,500万円
  • 経費:1,350万円
  • 利益:150万円

一方、

Bさん

  • 売上:700万円
  • 経費:200万円
  • 利益:500万円

売上だけを見るとAさんの方が事業規模は大きいですが、実際の利益はBさんの方が多くなっています。

法人税や所得税は利益を基準に計算されるため、売上だけで法人化を判断すると、「思ったより節税にならなかった」という結果になることもあります。

さらに、法人になると次のような固定費が増えます

  • 法人住民税(赤字でも発生する場合があります)
  • 社会保険料
  • 税理士費用
  • 決算申告費用
  • 会計ソフトの利用料

これらの費用を考慮せずに法人化すると、かえって手元に残るお金が減ってしまう可能性があります。

対策

法人化を検討する際は、「売上」だけでなく、利益・将来の売上予測・維持費・税負担を含めたシミュレーションを行いましょう。


ケース2 設立費用だけを気にしてしまう

法人設立の広告では、

「会社設立〇円!」

「無料で設立!」

といった言葉を見かけることがあります。

そのため、「会社を作る費用だけ準備すればいい」と考えてしまう方がいます。

しかし、本当に重要なのは設立後に毎年発生する費用です。

先ほどと重複するものもありますが、例えば、

  • 法人住民税(均等割)
  • 税理士への顧問料
  • 決算申告費用
  • 社会保険料
  • 法人口座維持費
  • 会計ソフト利用料

など、個人事業主のときには不要だった費用が増える場合があります。

例えば、利益がほとんど出なかった年でも、法人住民税の均等割など一定の負担が発生することがあります。

対策

「設立費用」ではなく、「5年間でいくら維持費がかかるのか」を試算してから法人化を検討しましょう。


ケース3 赤字なら税金がかからないと思っている

個人事業主では、「利益がなければ所得税はかからない」というイメージが強いため、法人でも同じだと考えてしまう方がいます。

しかし、法人では赤字でも支払う税金があります。

代表的なのが、先ほどお伝えした「法人住民税の均等割」です。

※法人住民税の均等割とは、法人の規模(資本金等の額や従業員数)に応じて定められた

 「法人住民税」の一部です。

これは利益ではなく、「法人が存在していること」に対して課税される税金です。

つまり、

利益0円

赤字100万円

このような場合でも、均等割の負担が発生するケースがあります。

「利益が出なかったから税金もゼロ」と思い込んでいると、納税通知書が届いて驚く方も少なくありません。

対策

「利益に応じて変わる税金」と「利益に関係なく発生する税金」があることを理解しておきましょう。


ケース4 社会保険料の負担を見落としてしまう

法人化した後に最も驚く方が多いのが、社会保険料です。

例えば、個人事業主では国民健康保険と国民年金を支払っていた方でも、法人化すると健康保険・厚生年金への加入が必要となる場合があります。

さらに、社会保険料は会社と役員(従業員)がそれぞれ負担する仕組みです。

つまり、会社側にも費用が発生します

例えば役員報酬を高く設定すると、社会保険料も高くなる傾向があります。

「節税のために法人化したのに、社会保険料が想像以上だった」というケースは珍しくありません。

対策

法人化前に、役員報酬と社会保険料を含めた資金シミュレーションを行いましょう。


ケース5 「会社のお金だから自由に使っても大丈夫」と思ってしまう

法人を設立したばかりの方に非常に多い失敗です。

個人事業主だった頃は、

  • 事業用口座から生活費を引き出す
  • 売上が入ったらそのまま自分の財布へ移す

という管理をしていた方も多いでしょう。

しかし、法人になると会社と社長(個人)は法律上まったく別の存在(別人格)になります。

例えば、会社の銀行口座から

  • 家族旅行代
  • 子どもの学費
  • 自宅の食費
  • 個人的な買い物

などを支払ってしまうケースがあります。

「社長なんだから会社のお金は自分のお金」と考えてしまう方もいますが、これは大きな誤解です。

会社のお金を私的に使うと、税務調査で

  • 役員賞与
  • 役員貸付金
  • 経費否認

などと判断される可能性があります。

その結果、

  • 法人税が増える
  • 所得税が増える
  • 追徴課税が発生する

可能性があります。

対策

法人設立後は

  • 法人口座
  • 個人口座

を完全に分けましょう。

社長が生活費を受け取る方法は、原則として「役員報酬」です。

会社のお金は会社のお金として管理することが重要です。


ケース6 「役員報酬は毎月自由に変更できる」と思ってしまう

会社を設立すると、

「利益が多かったから今月だけ役員報酬を増やそう」

「今月は資金繰りが厳しいから役員報酬を減らそう」

と考える方がいます。

しかし、役員報酬は給与とは異なります。

税務上、役員報酬は一定のルールに従って支給しなければ、損金(経費)として認められない場合があります。

つまり、自由に変更すると、

「その増額分は経費になりません」

という可能性があります。

結果として、法人税が増えてしまうことがあります。

実際によくある失敗

【設立時】

役員報酬20万円

【半年後】

利益が増えたので50万円へ変更

税理士から

「この変更では経費にならない可能性があります。」と言われてしまうケースがあります。

対策

役員報酬は設立時に

  • 利益予測
  • 生活費
  • 社会保険料
  • 法人税

を考慮して慎重に決めましょう。


ケース7 設立後の届出を忘れてしまう

会社設立が終わると、「これで全部終わった!」と思ってしまう方がいます。

しかし、本当に重要なのはここからです。

法人設立後には、

税務署

都道府県

市区町村

年金事務所

などへ様々な届出が必要になります。

例えば

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税関係の届出
  • 社会保険関係

などがあります。特に、青色申告の承認申請書は提出期限があります。

期限を過ぎると、本来受けられる税務上のメリットをその事業年度では受けられない場合があります。

対策

法人設立後は、「提出する書類一覧」を作り、期限をカレンダーへ登録しておきましょう。

会社設立サービスを利用する場合でも、提出義務が自分にある書類がないか確認することが大切です。


ケース8 インボイス制度を理解しないまま法人化してしまう

「法人になれば自動的にインボイス登録される」と思っている方が意外と多くいます。

しかし、

法人設立=インボイス登録ではありません。

インボイス制度を利用するには、適格請求書発行事業者としての登録手続きが必要です(登録が必要なケース)。

登録状況によっては、取引先から

「インボイス番号はありますか?」と聞かれて困ってしまうケースがあります。

実際によくある失敗

法人設立後

請求書を送付

取引先

「登録番号がありません。」

登録手続きが終わるまで請求書を再発行

というケースがあります。

対策

法人設立前に、

  • 取引先
  • 消費税
  • インボイス制度

について確認しましょう。


ケース9 定款を適当に作ってしまう

会社設立サービスでは定款を簡単に作れるためか、

事業目的を「(例)ホームページ制作」など安易に決定してしまうケースがあります。

しかし、例えば数年後、

  • コンサルティング
  • 不動産賃貸
  • オンラインスクール

を始めようとしたとき、

定款の目的に書かれていないため、変更手続きが必要になることがあります

変更には、・株主総会・登記申請・登録免許税などが必要になる場合があります。

対策

現在だけではなく、

5年後

10年後

に行う可能性のある事業も含めて目的を考えましょう。

ただし、実際に行う予定のない事業を無制限に記載するのではなく、事業内容との関連性も考慮することが大切です。


ケース10 「ネットで調べれば全部できる」と思ってしまう

最近では、YouTube・ブログ・SNSなどで会社設立の情報が数多く公開されています。

そのため、「専門家へ相談しなくても設立できそう」と思う方もいます。

確かに、会社設立そのものは自分で手続きすることも可能です。

しかし、前述したように設立後には

  • 税金
  • 社会保険
  • 消費税
  • インボイス
  • 会計処理
  • 届出

など、専門知識が必要になる場面が数多くあります。

例えば、「資本金をいくらにするか」という一つの判断でも、

今後の資金繰りや融資、税務に影響することがあります。

自己判断だけで進めると、後から「もっと早く相談しておけばよかった」と感じるケースも少なくありません。

対策

会社設立を進める際は、

  • 税理士
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 信頼できる会社設立支援サービス

などのいわゆる専門家を活用し、自分に必要なサポートを受ける必要があるでしょう。

私のオススメは「税理士法人経営サポートプラスアルファ」です。

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法人化シミュレーションでメリットあるか算定

法人化した後の維持費について説明

会社設立の注意点を細部にわたって説明と検討

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現在、個人事業主で法人化した方がいいのか目安を知りたい方、法人化について興味あるが、わからないことがわからない方は無料相談から始めてみてください。

専門家の意見を行くことで、設立に関する大きなミスを防ぐことができます


まとめ

法人化は、事業の成長や信用力向上につながる可能性がある一方で、税務・社会保険・会計・法務など、個人事業主とは異なるルールが数多くあります。

「節税になるらしい」「売上が増えたから」といった理由だけで判断するのではなく、事業計画や資金繰り、将来の方向性を踏まえて検討することが大切です。

設立前に十分な情報収集とシミュレーションを行い、必要に応じて専門家へ相談することで、法人化後のトラブルを防ぎやすくなります。

※本記事は一般的な情報をもとに作成しています。法人設立や税務・法務については、個別の事情によって取り扱いが異なるため、税理士・司法書士・行政書士などの専門家へご相談ください。

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